

キャンピングカーに長期間乗らないとサブバッテリーが放電されるし、駐車中もサブバッテリーを充電したいなぁ
毎日、キャンピングカーに乗る方はほとんどいないと思います。
そこで問題になるのは、サブバッテリーの放電ではないでしょうか。
私のキャンピングカーには、105Ah×4個の鉛バッテリーが積んであり、放電率が高く定期的に動かす必要があります。
また、鉛バッテリーは容量の半分程度しか使えないため、計420Ahですが実質は210Ahになってしまいます。
そのため、ルーフエアコンを使用するとすぐにサブバッテリーの残量が減ってしまい困っていました。
そんな中で注目されているのが「ソーラーパネル」。車の屋根に取り付けることで、走行や外部電源に頼らず電気を確保できます。
今回はキャンピングカーにソーラーパネルを設置して、放電と消費電力の問題を改善していきます。
キャンピングカーにソーラーパネルを設置するメリット・デメリット

キャンピングカーにソーラーパネルを設置すると言っても、メリット・デメリットがあります。
キャンピングカーにソーラーパネルを設置するデメリット
キャンピングカーにソーラーパネルを設置するデメリットは主に5つあります。
- 天候に左右される
曇天や雨の日、日照の少ない冬は発電量が激減。
真夏でも炎天下でパネル温度が上がると効率低下(温度係数)。 - 初期コストが高い
ソーラーパネル+充電コントローラー+取付工事で数万円〜数十万円。
投資回収には時間がかかる。 - 設置スペースの制約
車両の屋根サイズに依存し、搭載できる容量に限界がある(一般的に200W〜400W程度)。
ルーフベンチレーターやルーフボックスとの干渉も注意。 - 車両重量・重心への影響
パネルと架台で数kg〜十数kg増える。
ルーフ上に載せるため重心が上がり、走行安定性にわずかに影響。 - メンテナンスの必要性
汚れや鳥のフンで発電効率が低下するため、定期的に清掃が必要。
架台や防水処理の劣化にも注意。

天候に左右されるのは仕方ないですね。
それ以外は、意外と解決できそうなデメリットです。
キャンピングカーにソーラーパネルを設置するメリット
キャンピングカーにソーラーパネルを設置するメリットは主に4つあります。
- 電源の自立性が高まる
外部電源がないキャンプ場や車中泊でも、照明・冷蔵庫・換気扇・ポータブル家電が使用可能。
エンジン停止中でもサブバッテリーを維持でき、サブバッテリーの過放電防止につながる。 - 走行・アイドリングに依存しない充電
走行充電や発電機に頼らず、停車中・駐車中に充電できるため燃料節約になり環境にもやさしい。 - 長期滞在や連泊で有利
電源付きサイトに頼らず、フリーサイトや自然の中で連泊可能。
夏場の冷蔵庫稼働や冬場のFFヒーター制御電源を安定供給できる。 - バッテリー寿命延長
常に少しずつ充電されるため、深い放電を避けられ、サブバッテリーの寿命を延ばす効果あり。

自由度が高くなるので、メリットの方が大きく感じますね!
キャンピングカーのソーラーパネル選び方

キャンピングカーにソーラーパネルを設置することで、走行充電や外部電源に頼らず電気を確保できるため、オフグリッド旅や連泊にも強い味方になります。
ソーラーパネルには種類や性能の違いがあるため、「どれを選べばいいの?」と迷う方も多いと思います。
選び方を簡単にまとめていますので、参考にしてみてください。
ソーラーパネルの種類
ソーラーパネルには大きく分けて3つのタイプがあります。
- 単結晶パネル
- 発電効率が高く、設置スペースが限られるキャンピングカーに最適。価格は少し高め。


- 多結晶パネル
- 単結晶より安価だが、効率はやや劣る。屋根が広い大型キャンピングカー向き。


- フレキシブルパネル
- 軽量で屋根にフィットしやすい。穴あけ不要の取付も可能。ただし寿命が短めで、真夏の高温に弱い傾向あり。


単結晶と多結晶の違い
キャンピングカーにソーラーパネルを取り付けようと思ったとき、まず迷うのが 「単結晶パネル」か「多結晶パネル」かです。
ソーラーパネルには「単結晶パネル」と「多結晶パネル」があり、性能や価格、見た目に違いがあります。
- 単結晶(モノクリスタル)ソーラーパネルの特徴
- 変換効率が高い(約18〜22%)
→ 限られた屋根スペースでも大きな発電量を確保できる。 - 見た目が黒っぽくスタイリッシュ
- 高温下でも性能が落ちにくい
- 価格はやや高め
- 多結晶(ポリクリスタル)ソーラーパネル
- 変換効率はやや低め(約15〜18%)
→ 同じ発電量を得るには広い面積が必要。 - 青っぽい見た目
- 製造コストが安く、価格が手頃
- 低光量(日陰や曇り)では性能がやや不安定

キャンピングカーのように「設置スペースが限られている」「発電効率が重要」な場合に特は単結晶ソーラーパネルがおすすめ。
大型キャンピングカーで「屋根スペースに余裕がある」「コストを抑えたい」場合は多結晶ソーラーパネルが向いています。
発電量の目安からソーラーパネルを選ぶ
どのくらいの電気を使うか、サブバッテリーの容量や一回の旅で何泊するのかで必要な発電量が変わります。
- 100W程度 → 照明・スマホ充電がメインなら十分。
- 200W前後 → 小型冷蔵庫や換気扇を使う場合におすすめ。
- 300〜400W以上 → 夏場の連泊や電子レンジなど消費電力の大きい家電を使う場合。
夏場にエアコンや冷蔵庫を使うことを考えると、発電量は大きいに越したことはありません。
また、ソーラーパネルの発電でサブバッテリーを充電できれば、連泊もでき旅の自由度もあがります。
ソーラーパネルからサブバッテリーへの充電量計算方法
Wh(ソーラー発電量)÷12V(サブバッテリー電圧)=A(アンペア)
例)300Wh÷12V=25A
サブバッテリーが200Ahの場合、満充電まで約8時間が必要になります。

日中はソーラーパネルの発電で消費電力を賄い、夜間はサブバッテリーで賄うのが良さそうですね!
キャンピングカーにソーラーパネル 充電コントローラーの選び方
キャンピングカーにソーラーパネルを取付て、すぐにサブバッテリーを充電できるわけではありません。
サブバッテリー傷めないために、ソーラーパネルとバッテリーの間に入れるのがソーラーチャージャーコントローラーです。
チャージャーコントローラーには2種類あります。
- PWMタイプ
- 低価格で初期費用を抑えられる、小規模発電向き。
- ソーラーパネルからの電圧を直接バッテリー電圧に近づける制御を行う。
- 例えば 18V 出力のソーラーパネルを 12V バッテリーに接続する場合、余分な電圧はカットされ「捨てられる」。
- 電圧を細かいパルスの ON/OFF で制御して、充電を安定させる。
- PWMタイプの特徴
- 安価(小型システムや低予算向け)
- 構造がシンプルで故障が少ない
- 発電ロスが大きい(パネルの性能を活かしきれない)
- パネル電圧とバッテリー電圧の差が大きいほど無駄が増える
→ 効率は 約70〜80%程度
- MPPTタイプ
- 発電効率が20〜30%高く、リチウムバッテリーと相性◎
- ソーラーパネルの「最大電力点(Vmp)」を常に追跡して、そこで発電された電力を最大限に取り出す。
- 電圧が高い分は「昇降圧コンバーター」で変換し、電流に変えてバッテリーへ効率的に充電する。
- 例えば 18V, 5A のパネル → 90W
これを 12V バッテリーへ充電するとき、電流は約 7.5A に変換される(ロスが少ない)。
- MPPTタイプの特徴
- 発電効率が高い(効率 95〜98%)
- パネル電圧とバッテリー電圧の差を有効活用できる
- 寒冷地や曇天時でも性能を発揮
- 高価
- 構造が複雑で発熱もある
→放熱設計が必要
チャージャーコントローラーを選ぶポイント
- パネル容量が 200W以上ならMPPT一択
- 小容量(〜100W)ならPWMでもOK(コスパ重視)
- リチウムイオンバッテリーを使う場合は、充電効率が重要なのでMPPTがおすすめ
- 将来的に増設予定があるなら最初から MPPT を選んでおいた方が安心

キャンピングカーで快適に電気を使いたいなら、充電効率の良いMPPTコントローラーがおすすめです。
今回は、Renogy 12V 50A DCC MPPT 走行充電器にしました。
Renogy 12V 50A DCC MPPT 走行充電器を取付の記事はこちら
今回準備したソーラーパネル

キャンピングカーにソーラーパネルを設置する際に、まずはサイズが問題となりました。
- ソーラーチャージャーコントローラーは、Renogy 12V 50A DCC MPPT 走行充電器
→ソーラーは最大660Wまで - ソーラー充電と走行充電で合計50Aまで充電が可能
→ソーラー単体で600W - サブバッテリーは400Ahを積載
→充電するためには0から100%まで50Aで8時間必要
上記のことから、可能な限り600Wのソーラーパネルを設置したいと考えました。
また、単結晶で影の影響を受けないバイパスダイオードが採用されている、フレキシブルソーラーパネルを探すことにしました。
キャンピングカーのソーラーパネルを設置できるスペースは限られているため、サイズと発電量、発電効率などから選ぶ必要があります。

オレンジ枠がキャンピングカー前方
右枠
・手前ルーフ900×1800
・奥ルーフ700×900
左枠
・800×1280

右枠は、サイズ違いの2枚か700×2700に収まるソーラーパネルを2枚にするか悩みました。
候補となったソーラーパネル比較
候補となったソーラーパネルは3つのメーカーです。
![]() Renogy | ![]() LVYUAN | ![]() BougeRV | |
セル種類 | 単結晶 | 単結晶 | 単結晶 |
最大出力 | 200W | 200W | 200W |
最大動作電圧 | 20.1V | 22.5V | 25V |
最大動作電流 | 10.02A | 8.89A | 8.02 |
解放電圧 | 23.9V | 26.55V | 31.5V |
短絡電流 | 10.74A | 9.78A | 8.64A |
変換効率 | 22% | 25% | 16% |
サイズ | 748×1605×3㎜ | 690×1455×3㎜ | 670×2175×1.5㎜ |
重量 | 4.9㎏ | 3.0㎏ | 3.2㎏ |
バイパスダイオード | あり | あり | あり |
詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
- Renogy
効率・耐久性ともに安定。ブランド信頼性が高く、長期使用に安心。


- LVYUAN
スパ重視、ETFEで耐久性あり。サイズが小さめで扱いやすい。


- BougeRV
影に強く、非常に柔軟。キャンピングカーや曲面ルーフに最適。


キャンピングカーのスペース問題で、200W×2枚、100W×1枚の計500W(約41A)のソーラーパネルを設置することにしました。
キャンピングカーの右枠は、700×2700㎜を少し超えてもギリギリ収まるので、今回はLVYUANのフレキシブルソーラーパネルにしました。




200W×2枚は右側のスペースに設置しますが、サイズが690×2910でキャンピングカーのバンクに少し掛かるくらいで収まります。
100Wは左側で、690×855なので余裕で収まります。
ソーラーパネル設置で準備した物
ソーラーパネルは並列接続をするため、必要な物を準備しました。
- 超強力両面テープ
フレキシブルソーラーパネルを貼り付けるための超強力両面テープ


- パーツクリーナー
両面テープを貼り付ける場所の汚れ落としと脱脂をして、しっかりと貼り付けるため


- 逆流防止ダイオード(20A、10A)
並列接続したパネル間で、一部のパネルが影になったり故障したりした場合に、電流が電圧の低いパネルに逆流するのを防ぐ




- MC4コネクタ 並列接続用
ソーラーパネル3枚を並列接続するため


- ソーラーパネル用MC4延長ケーブル 6sq/10m
並列接続したコネクタから、チャージャーコントローラーまでの引き込み線
許容電流64Aなので問題ないですが、電圧降下を考えるともう少し太い方が良い
- サーキットブレーカー 50A
過電流や短絡による火災や機器の故障を防ぐ


- 防水ケーブルボックス
キャンピングカーの屋根に穴を開けて車内へケーブルを引き込むため、防水加工必須。
ボックスにケーブルを通して、ネジを締めるとブッシングが閉まって防水できます。


- その他、小物類
ケーブルの整線に固定マウント、結束バンド、ケーブルを引き込む穴に防水と傷防止のためゴムブッシング






固定マウントの両面テープは剥がれるので、剥がしてから超強力両面テープに貼り替えました。
ソーラーパネルの設置
道具で準備したのは、ドリルとニッパーくらいでした。
作業途中の写真が撮れていないので、配線図を参考にしてください。

逆流防止ダイオードは、並列接続用コネクタのプラス側に差し込みます。
100Wに10A、200Wに20Aを取付、並列接続用コネクタから、防水ケーブルボックスを通して車内へ入れました。
車内のサーキットブレーカーを通して、Renogy 12V 50A DCC MPPT 走行充電器へ接続します。

200Wソーラーパネル×2枚はギリギリでした。
テレビアンテナにかかるので、影になるのが残念です。
写真の右下に防水ケーブルボックスを通して、車内に引き込んでいます。

車内のサーキットブレーカー
左の角にケーブルがまとまっているので、屋根に穴を開けて通してからサーキットブレーカーへ接続しています。
上側がソーラーパネルからのケーブル
下側が走行充電器へのケーブル
ソーラーパネルを入れた配線の全体図

インバーターや外部充電器、室内12Vなどのケーブルもあるため、配電ブロックを入れています。
ケーブルが多くなると、サブバッテリーや走行充電器への接続が難しくなるので、配電ブロックがおすすめです。


無事にソーラーパネルの設置と配線も終わり、発電と充電が可能になりました。

LEDインジケーターの赤点滅を確認できました。
満充電なので、バッテリーのLEDは緑ランプ点灯です。

別日で、夕方に発電を確認しました。
ソーラー、走行充電、共に発電・充電を確認できました。
キャンピングカーにソーラーパネル設置でかかった費用は?
ソーラーパネル200W×2枚 | 52,998 |
ソーラーパネル100W×1枚 | 12,998 |
チャージャーコントローラー(新設の場合) | 32,999 |
延長ケーブル | 4,998 |
逆流防止ダイオード(20A、10A) | 3,899 |
MC4コネクタ(並列接続用) | 1,980 |
超強力両面テープ | 3,780 |
パーツクリーナー | 656 |
防水ケーブルボックス | 749 |
サーキットブレーカー(50A) | 2,980 |
小物類 | 2,316 |
合計 | 87,354~120,353円 |
チャージャーコントローラーを新設するのか、MPPT付き走行充電器にするのか、またはチャージャーコントローラーと走行充電器を分けるのかで費用も変わってきます。
Renogy 12V 50A DCC MPPT 走行充電器を取付た際の記事に、メリット・デメリットも書いていますので参考にしてみてください。

これで、バッテリーの放電とルーフエアコン使用時の電力消費問題を少し改善できました。
キャンピングカーにソーラーパネル設置~費用と手順~:まとめ
キャンピングカーにソーラーパネルを設置すれば、悪天候にならない限り安定した電力供給が可能になります。
また、ルーフエアコンなど消費電力が大きい電気設備を使用しても、消費電力を抑えることができ、サブバッテリーに余力を残すことができます。
ソーラーパネルは、据置型か貼付型によって費用も変わってきますが、貼付型であれば自分でも可能です。
据置型は、ルーフ部分に架台の設置が必要になり費用がかかります。
キャンピングカーに、サブバッテリーの充電や連泊に対応できる能力を持たせたいと考えている方はソーラーパネルの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
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